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含浸塗料の名前はスーパー・サウンド・コーティング(SSC)に決まりました。
そのSSCを塗ったMM−151Sは試聴室でいつでも聴けますが、従来のMMスピーカーの音に慣れておられる常連のお客様達も、その音の違いに驚いておられます。MMキットのオーナーの方やホームページで塗料の情報をお知りになられた方がそのスピーカーの試聴を目的に来られます。
「実際に聴かれてみられた感想は?」
の質問に
「塗装でここまで音が変わるとは想像していなかった。」
そして
「このことを評論家並みのどんな素晴らしい文章で説明しても、どんなに熱弁を振るっても、それは虚しい努力に終わるでしょう。塗料を塗るだけでこんなに音が良くなるなんて、だれも想像できない。聴いた人しか信じないだろう」
と一様に言われます。
そして
「もっと試聴会の回数を増やし、多くの方に実際に聴いていただくのが一番良い宣伝方法ではないでしょうか」
とご意見をいただきます。
今までのオーディオの常識からいって、塗装を塗るだけで音が根本から変わるなんて過去に前例がないだけに中々理解していただけない。見た目はただの透明塗料。それも刷毛で塗るだけというローテク作業で音がガラリと変ってしまう。しかも、高価な投資をしてアンプやCDPなどのハイテク機器をグレードUPするよりもはるかに変化が大きいのです。言われるように実際に聴いていただける機会を、もっと増やしたいと思っています。
それにしても、一番大きなMM−191TにSSCを塗ったらどうなるんだろう?きっと物凄いことになるはず。
でも、本体があまりにも大きすぎるため躊躇していました。
そこで、まずはそのフロントバッフルのみに塗って聴いてみることにしました。
Sタイプのフロントバッフルのみ塗装したものを聴いたときでも違いは歴然だったので、より表面積の大きいTタイプはもっと大きく変わるはず。
もう数日待っていれば、富山から正式な塗料で塗られた191Tのフロントバッフルが送られてくるはずでした。しかし、思い立ったら今すぐにでも聴いてみたい、せっかちな私はそれまで待てなかったのです。
思い立ったその日は塗装を塗るには絶好の天気でした。
先日、富山から持ち帰った試作塗料の入った1リッター缶の蓋を開けて、フロントバッフルに塗りました。アルコールの匂いがするので野外での作業でした。
フロントバッフルは3回塗りが基本です。
川上さんからは一度に3回塗りは決してしないで欲しい。1回塗ったら1日放置して自然乾燥させて、翌日に2回目、翌々日に3回目と、時間をおいて分けて塗るようにと言われていました。
ところが、直射日光のあたる場所での作業だったので、塗ったすぐ後に手で触れるほど乾燥が早い。乾燥さえしてしまえば、続けて重ね塗りしても悪くないはず。
本当に不思議な塗料です。塗った直後、その板を指で弾くともう硬い音になっている。
板に吸込まれると同時に中で固まってしまう。なんとも不思議な塗料。
ようするに板が硬くなれば良い訳で、続けて3回塗っても、3日に分けて塗っても結果は同じはず。どのみち大した問題ではないのでは・・・・
「早く聴いてみたい」
川上さんとの約束を破り、30分程の短時間の間に3回重ね塗りをしてしまいました。
最後の3回目を塗った直後にアルテックCD408−8Aを取付けし、そのまま191Tに装着。
聴き比べのため、もう片側の191Tは無塗装のバッフルのままです。
最近試聴用に良く使う中国の琴、古琴の曲を最初に聴きましたが、結果は悲惨なものでした。スチール弦だと思うのですが、なんともきつい音。
細い弦の高域が耳に突き刺さるようにキンキン響く。耳が痛くてとても聴いていられない。頭の中まで響いている。
オーケストラもパートの音は鮮明になるものの、やはり高域が強調される。
これはユニットのせいだ、ユニットによっては合わないものもあるのだ。
アルテックのように元々アタック感の強いユニットに対し、硬くなったバッフルが振動を吸収しなくなりその分きつい音になるのだと、そのときはそう思っていました。
数日後、完成した塗料サンプルと、それを塗った各サイズのフロントバッフルを持参された川上さんにこの約束破りを大笑いされたのでした。
(続く)
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